美容医療診療指針まとめ(しみ・くすみ編)
美容医療診療指針をまとめました。
今回は「しみ・くすみ」編になります。
どんなに良い化粧品を使っても、日差しを避けても、いつの間にか顔に「しみ」ができてしまう。
昔は気になることなんかなかったのに泣
そんなことは男性である、私ですら思っているので、女性はもっと気にされているでしょう。
「しみ」と言っても、病名は様々あります。
今回取り上げる「日光黒子(老人性色素斑)」に加えて、「肝斑」・「雀卵斑(ソバカス)」・「遅発性両側性太田母斑様色素斑」などがあります。
下図を参照されて下さい。
「日光黒子(老人性色素斑)」は老人性とありますが、原因は年齢ではなく、紫外線による光老化です。
メラニンは、降り注ぐ紫外線から細胞核を守るための「傘」の役割をしています。
紫外線に反応して、色素細胞(メラノサイト)がメラニンを大量生産、周囲の細胞にメラニンを放出、細胞中のメラニンが紫外線を吸収し着色され、これが「しみ」のもとになります。
通常は新陳代謝により、「垢」として排出されます。
しかし、メラニンの産生工場である色素細胞(メラノサイト)が、紫外線やその他の原因により障害されると、本来であれば、紫外線に反応するだけだったのに、常にフル稼働状態になり、そこが「しみ」になります。
治療法
治療は、「原因を元から断つ」、つまり、メラニンの産生工場を破壊することです。
その方法は、
1. メラニンを標的とするレーザー治療 (Qスイッチレーザー)
2. 光治療 (IPL:intense pulsed light)
などがあります。
いずれも「強く推奨」されています。
また、保存療法としては、
1. ビタミンA・Cによるスキンケア
2. メラニン産生を抑制する薬(トラネキサム酸)やビタミンCの内服
などがあります。
ここからは、個人的な見解になります。
昔からビタミンCはいいと言われてましたよね。
数年前からビタミンA(レチノール)含有のスキンケア用品が出始めて、人類の美に対する追求はすごいなと思います。
私自身が老化や線維化の研究をしていたこともあり、レチノールに関しては、チラッと調べた記憶があります。それなりに基礎研究があったような。
昔のHDDを取り出して、いつか調べ直したいですね。
以前も言及したのですが、この分野は長期成績は出ておりませんので、将来の副作用は予想ができませんので、ご注意ください。
ご意見・ご感想や間違いのご指摘お待ちしております。
おしまい