闇医者Blog

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医師国家試験の合格発表

3月15日に医師国家試験の合格発表が行われました。

今年合格したみなさんはおめでとうございます。

毎年、大学の合格率が出るのですが、見るべきところはそこではありません。

厚生労働省「第118回医師国家試験の合格発表について」

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_38722.html

今年の合格基準は、

 ①必修問題:160 / 200点以上 「一般問題(1問1点), (臨床実地問題1問3点)」

 ②必修問題を除いた一般問題および臨床問題:230 / 300点以上 「各1問1点」

 ③禁忌肢問題選択数は3問以下 「これ以上間違えたら1発OUT

試験問題は、「必修問題」「一般問題及び臨床問題」「禁忌肢問題」に分類され、それぞれで合格基準を満たす必要があります。

上記に示すように、医学部生全体が8割程度の点数で合格できます。

 

下図は各大学の新卒者のみの統計になります。

国立大学医学部の合格率(新卒のみ)

公立/私立大学医学部の合格率(新卒のみ)

大学によっては、「出願者数」に対して、「受験者数」が異常に少ない場合があります。

我々も経験したのでよく知っていますが、国家試験を受験する前に、まずは大学独自の試験に合格しなければならないのです。※6年間通して

この人数の乖離は、「出願者数 - 受験者数 = 留年者数」になります。

赤文字は「留年者数」が10人以上オレンジ文字5人以上の大学になります。

※国家試験前に「君は受験資格がありません」と言われる人達の数です。

 

ある大学は留年者が28人も出ています。何かあったのでしょうか!?

いづれにしろ、大学側の思惑としては、見かけ上の数字で合格率を上げたいのです。

くだらないですね。

 

私立の医学部に圧倒的に「留年者」が多いのは、昔から言われています。

この統計は、新卒時のデータですが、実際はどの大学も6年間を通して、各学年で留年者を出しています。

私立の医学部の場合、ストレートで国家試験に合格している人はどれくらいの割合なのでしょう?

 

これから医学部受験を考えている方は、この統計結果も参考にして頂ければ幸いに存じます。

※学費の面で大きな問題になってくるでしょう。

 

医師になってからは、大学によって医師のレベルは大きく変わることはありません。

大学というよりは、その人が与えられた環境でどれだけ頑張るかが重要だと思います。

ただし、大学によって「その地域でどれだけ力を持っているか(派遣先の病院)」「どの科が強い」「研究費」は大いに関係しているので、何とも言えない要素はありますが。。

 

ご意見、ご感想、間違いのご指摘をお待ちしております。

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おしまい