闇医者Blog

闇医者です。界隈の言えないこととか書いてます。

零売薬局とは?

最近、業界界隈で話題の「零売薬局」ですが、どういったものなのでしょうか?

調べてみました。

 

まず、重要なのは、

「零売」:(個々の顧客の求めに応じた)「分割販売」を意味する

であって、処方箋なしで医薬品を販売する行為ではないということです。

 

医薬品の販売形態として、処方箋に基づき医療用医薬品を販売する「調剤」一般用医薬品を販売するOTC販売」がありますが、下図の赤文字に分類される医療用医薬品をピンポイントで狙って販売する薬局を「零売薬局」とされています。

厚生労働省HPより引用

「零売」の歴史

こちらも厚生労働省HPより内容をまとめたものです。昔と違い、現代では医薬品へのアクセスが容易になったことが、新たな問題を生み出してしまっているようです。

零売の歴史

処方箋ありきでお薬を購入していた多くの方が、病院に行かずに済むなら利用したいと考えるでしょう。私もそうします。というか、風邪程度であれば、ドラッグストアで事足ります。

 

ここからは個人の見解です。

 

医師会としては、初診料もしくは再診料+処方箋料が取れなくなるため、単純に収入減となります。おおよそでの計算(3割負担)で患者1人あたり430円程度です。

※病院の規模によって多少変わりまし、知らない保険点数も追加で加算されているかもしれません。

なので、「処方箋が原則」・「やむを得ない場合」を強調して、病院に囲い込むのは理解できます。病院は、医療法により非営利性を求められますが、利益を求めてはいけないというわけではないため、まぁ大丈夫でしょう。

 

薬局としては、責任とかルールとかいろんなものを無視すれば利益しかないでしょう。病院と違い、薬局は利益優先で全く問題ないため、勝負にならないのかなと思います。

メリットとして、「待ち時間が短い」・「価格が安価」などが挙げられていますが、闇は深いですね。

基本的に「自由診療=保険が効かない」ため、価格設定は薬局が決定します。そうなると、病院で処方箋ありで医薬品を購入するためにかかったコストより少し安価な値段設定で最大の利益を享受することができます。(最近流行りのトランサミン+vitCが爆売れしそうですね)

また、必ず対面販売をして、病院への受診を勧める必要がありますが、やはり、何かあった時の責任というか、尻拭いは病院でないとできないので、そこらへんはなんとかして欲しいですね。絶対いつか「なんで早く来なかったの」と声が喉まで出る日が来ると思います。

 

個人的には、毎月の定期の外来患者が減ることで新患を含め患者さんを丁寧に診察することもできると同時に、長い待ち時間を解消できるので、お互いが歩み寄ればWinWinだと思います。

ただ、人気や実力のない医師は外来患者が少ないので、淘汰されていくでしょうね。

 

ご意見・ご感想や間違いのご指摘もお待ちしております。

おしまい